Future Surf


Introduction

ひろーい地球でHawaiianしか考えつかなかった奇跡の遊び Surfin は、ながーい歴史の中で少しづつ進化してきた。そして、その進化はとどまることなく未来へと続く。21世紀、この奇跡の遊びは何処へ向かうのだろう?これから描くのは、オレの脳に浮かんだSurfinの未来図だ。
と言っても、セットの合間や波のない休日にテキトーに考えた話にすぎない。他人がデッチ上げた話は、あまり真剣に読んじゃぁいけない。

サーファーによる環境を考えるネットワーク
Surfer's Environmental Network

Koji Aikawa



#4 Recycle it!

 ”やばっ”
っていうワイプアウトの後、レッグロープを引っ張ると、手応えがミョーに軽い。そんな経験を、オレは2回だけしている。多いのか少ないのか?とにかく、半分になったボードと共にBeachまで戻るときの悲しさって言ったら・・・。とりあえず、前半分を拾って突き立てておいてくれたSurferに礼を言って家に帰る。家では、元ボードは単なるゴミとして扱われることになる。さらに、処理されるべく回収されると、そこでは廃プラスチックとして扱われる。

 じゃぁ、廃プラスチックはどのように処理されるのか?1996年、日本の廃プラスチック総排出量は909万トンもあった。そのうちの11%は再生利用、28%は熱エネルギー源として利用されたらしい。有効利用されたのはこの39%で、残りの61%は埋め立て(37%)か単純焼却(24%)された。プラスチックと一口に言っても、山ほど種類があるので、再生利用するには当然分別が必要だし、熱エネルギー源として利用するにも、燃やしたときに有害物質を出しちゃぁうまくないので、ある程度分別が必要だろう。ってことで、有効利用される廃プラスチックは、分別回収されたものか、企業などから出る産業廃プラがほとんどだろうね。ってことは、元ボードは、埋め立てに使われると思って良い。”オレって海が好きだぜぃ!”って言っているSurferが捨てた元ボードは、海をかなり直接的に壊しているって事だね。運良く焼却されたとしても、焼却灰は海とか谷とかを埋めている。

 環境意識の高まりやらゴミの処理能力の問題やらで、お気楽にゴミを捨てまくっていた時代はまもなく終わりになるだろうね。まもなくってぇのがいつかは分からないけど、家庭から出る一般廃棄物の最終処分場の残余年数が8〜9年ってぇんだから、かなりまもなくかもしれない。その後どーなるかは、既にかなり見えてきている。それは”資源循環型社会”ってやつで、簡単に言うとゴミがほとんどでない社会って事かな。どーやってゴミが出ないようにするかってぇと、”リサイクル技術”を開発したり、”リサイクルシステム”をきっちり作ったり、”素材”をリサイクル可能なものに変えたりっていった努力を積み重ねて、ゴミを再資源化するってぇ方法だ。行政屋さんや企業や市民団体が一生懸命取り組み、いっぱい広告しているから知ってるか?

 廃プラスチックの”リサイクル技術”の開発は、最近スゲェ進んできているらしいよ。2000年に本格施行される容器包装リサイクルへの対応って事も含めて、企業の努力が続いているってのもあるらしい。家庭から出る多種の廃プラには、燃料油へと再生したときに様々な問題を起こす塩素を含む塩化ビニールが混ざっていて、有効利用の妨げになっていたんだけど、家庭から出る廃プラから塩素濃度の低い燃料油に再生する技術が最近開発されたんだってさ。塩化ビニールのガス化技術も開発されているらしい。ま、こーいった新技術が産業として成り立つようになってくれば、元ボードが海の埋め立てに使われることはなくなるよね。

 元ボードがリサイクルされるためには、元ボードをきちんと”リサイクルシステム”にのせなきゃぁならない。つっても、フツーにゴミとして出せばいいだけの話だけどね。まさかポリウレタンとエポキシ樹脂とを分けて出せってことはないだろうね?もしそーなったら、素人にはキツイから、Shopが回収して、素材ごとに分けて出すことになったりしてね。誰が分けるの?Shaper?それもキツイね。ま、そんな面倒なシステムには間違いなくならないから、フツーにゴミとして出すことを徹底しよう。Beachに置いていっちゃぁいけねぇよってことだ。

 いつの頃からか、ボードの”素材”に大きな変化が起きなくなっている。強度、浮力がいいあんばいで、価格が安定していて、加工しやすくてなんて言ったいろんな条件をバランス良く満たしているからだろうね。逆に新しい素材が出てきていないって事にもなるけど。しかし、資源循環型社会への移行の中で、リサイクル可能なことと言うのが素材の条件となってくる。そして、環境に良い素材の研究が進み、全ての条件を満たす新素材が出てくるだろう。もし新素材が出てくると、加工法も変わるかもね。コンピュータの前に座ったShaper(?)が、3Dでボードを設計しreturn keyを押すと、原料からいきなりモノができてきたりして。そーなると、Shaperもホワイト・カラーだね。勝手に想像しておいてなんだけど、オレ的にはやだな。職人が大切にされないようなところは住みにくいところだって気がするんだよねぇ。アナログなのかな?ま、アナログSurfers、安心してくれ!既に生分解性のポリウレタンが開発されている。

 ま、とにかく元ボードは、近い将来埋め立てに使われることはなくなる。Surferは、変わることなくフツーにゴミ出しを続けていればいい。ただ、元ボードがリサイクルされるようになる時は、人々の意識によって変わる。Surferは、その時が早まるように意識だけは変えた方が良いような気がする。

Mar.07.1999



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