米テキサス州のハイウェイにはゴミが散乱していた。州運輸局が頭を痛めた結果始めた対応策が、
”アダプト・ア・ハイウェイ”プログラムだ。この
”アダプト”ってのは、普段使っている電気製品のアダプターのAdapt(〜に適合させる、〜に順応させる)”じゃぁなくて、Adopt。辞書を引いてみると1、〜を採用する、〜を採択する 2、〜を養子にする と、ある。で、”アダプト・ア・ハイウェイ”と言う時はでは2番目の意味で、”高速道路を養子に”となる。高速道路を養子?なんのこっちゃ?”アダプト・ア・ハイウェイ”プログラムってのは、高速道路沿線の住民、企業、各種団体などが高速道路の一定区間の清掃、草刈、植栽の手入れなどの”管理”をする制度だ。里親(高速道路を養子にしたんだからね)はボランティアで、損得勘定を考えるとやっちゃいられない。ただ、高速道路沿いに立てられた看板には、その区間の里親(高速道路を養子にしたんだからね)の名前が書かれる。里親たちを支えたのは、プライドだったようだ。
1985年のお話。
1999年7月8日、日本で地方分権一括法が可決・成立した。国と自治体が分担する役割を明確にして、住民に身近な行政はできる限り自治体にゆだねることにして、機関委任制度ってのを廃止して、国の権限を積極的に地方に移して、必置規制ってのを廃止・緩和して、市町村合弁を推進して、地方税財源を拡充して…えーぃ!とにかく地方分権が進むんじゃー
!。地方分権ってのは中央官庁の権限を地方官庁に移すことなんだけど、じゃぁ、それが進んでくるとどーなるかってぇと、次は地方官庁から
”民”への分権が進んでくるらしい。分権先進国で実際に起こったことなので、日本でもそーなることは間違いないでしょう。”官”から”民”への分権ってのは、公共性の高い仕事を”民”にやってもらうってことだな。”民”ってのはまさに市民なんだけど、民間企業や市民団体がその中心になっていくだろうって話だ。どーゆー方法でか?ま、方法はいろいろあるんだけど、注目されているのはアダプション・プログラムだ。アダプション・プログラムは、
”アダプト・ア・ハイウェイ”の成功以来各国で導入が進んできた。今じゃぁ道路に限らず、公園や河川にも取り入れられていて、日本でも多くの自治体が導入を検討しているし、すでに導入しているところもあるんだってさ。近い未来、ビーチを持つ自治体は、どこの里親を募集するだろう?
ってことで、多くのビーチに里親の名前が書かれた看板の立つ日がやってくる。もちろん、ビーチを管理するってのはすっげぇ大変で、一人じゃなかなかできないから、書かれるのは市民団体の名前だろう。で、全部とは言わないけど、その中のいくつかは
Surf Teamの名前だろうね。看板に名前の書かれた
Surf Teamは、ビーチのゴミを拾ったり植栽を手入れしたりしながらいろいろ考えるんだろうね。どーしたら散乱ゴミが減るんだろう?どーしたら海岸の動物、植物が守れるんだろう?どーしたら砂を減らさないですむんだろう?トイレやシャワーはあったほうがいいのかなぁ?ゴミ箱は?駐車場は?なんてね。で、その意見を行政屋さんに伝えることになる。管理を任されているんだから、報告するのは当たり前の話だからね。じゃぁ、その意見は行政屋さんにどー扱われるかってぇと、管理している人の意見だし、実現できるかどうかはともかく、しかとって事はないよね。
Surferの見方に偏りすぎている意見じゃなければね。そんなわけで、損得勘定を考えるとやっちゃいられない仕事をプライドだけでやり続ける
Surferがいれば、いくつかのビーチはSurfer好みの自然に近いビーチに戻っていくだろう。そんなビーチで飲むBeerはうまいんだろうね。多いといいね、そんなビーチが。念のために
Adopt a beachプログラムに参加するSurf Teamが多くても、Surferのイメージが悪いままだとせっかくの努力が報われないことになる。よんどころねぇ事情でAdopt a beachプログラムに参加できないSurferがAdopt a beachプログラムに参加しているSurferの活動を助けるためには、Surf後にビーチのゴミを拾うといいかな。リーシュを巻いてボードを右手に抱えたら左手が空く。その左手でゴミを2つ3つ拾いながらビーチを出るだけの話だ。
おまけ
Introductionの“ひろーい地球でHawai’ianしか考えつかなかった奇跡の遊び”というフレーズに対し、E.K.さんからSurfin’のタヒチ発祥説と“Polynesianのほうがいいのでは”という御意見をいただきました。ご意見をありがたく頂戴しちゃって、Polynesianに変えました。E.K.さん、Mahalo!
Aug.13.1999
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