Future Surf


Introduction

ひろーい地球でPolynesianしか考えつかなかった奇跡の遊び Surfin は、ながーい歴史の中で少しづつ進化してきた。そして、その進化はとどまることなく未来へと続く。21世紀、この奇跡の遊びは何処へ向かうのだろう?これから描くのは、オレの脳に浮かんだSurfinの未来図だ。
と言っても、セットの合間や波のない休日にテキトーに考えた話にすぎない。他人がデッチ上げた話は、あまり真剣に読んじゃぁいけない。

サーファーによる環境を考えるネットワーク
Surfer's Environmental Network

Koji Aikawa




#10 Typhoon

 みんなー!台風すきー?  Yeah!

 南岸を離れて通ると、太平洋側はイイ波はいるよねー!  Yeah!

 でも、災害もあるよね?  Booooooooooooo!

 それでも、近づいてくるとわくわくしちゃうよねー?  Yeah!

 ってことで、オレはあったかくなるとよろよろやってくる、まるまるしたアイツらが大好きだなぁ。天気図にアイツらが顔を出すと、なんだか嬉しくなってくるもんね。もちろん、アイツらが引き起こす災害に遭っていないし、痛い目にも遭っていないから言えるんだろうけど。で、まわりを見渡してみると、やっぱり多くのSurferは”台風ずき”なようだ。アイツら、毎年イイ波を届けてくれるからね。

 台風とSurferのイイ関係が、ずーっと続いてくれるとHappyだね。

 ところが、そーはいきそうもない。

 なぜかって?そりゃぁ地球温暖化のせいでしょ。

 人間が化石燃料(石炭とか石油とか)を大量に燃やしたもんで、地球温暖化ガスの二酸化炭素(CO2)が大量に排出されちゃった。地球温暖化ガスってのは、太陽エネルギーを貯めこんでおくような性質のガスで、これによって大気が温室の中のようにあったまるんだね。だから、なくても困っちゃう(もし温暖化ガスがないと、地球の平均気温は−20℃になっちゃうんだってさ。)んだけど、多すぎると暑くなっちゃう。で、気候が安定していた頃の大気中のCO2濃度は280ppmくらいだったんだけど、一生懸命化石燃料を燃やしたので(1996年の化石燃料の燃焼による炭素排出量は62億トンで、1950年の約4倍なんだってさ。)、1998年には363ppmになってた。もし、このままのペースでCO2が排出されつづけると、21世紀後半に大気中のCO2濃度が安定期の2倍になり、地球の平均気温は1〜3.5℃上がるだろうって予測されているんだってさ。

 地球温暖化は気温だけにとどまらない。海水温も上昇すると考えられているんだ。そこでまっさきに予測されるのが、台風やハリケーンなど(海域や風の強さによっていろいろな呼び方があるんだ。)の発生数が増えるのと、破壊力が高まることだ。

 そもそも、台風ってのはちょっと強めの熱帯低気圧なわけだ。ちょっと強めってのがどれくらいかってぇと、一般に風速(日本では10分間の平均風速を、米国では1分間の平均風速を使うんだってさ。)が34kt (約17m/秒)以上の熱帯低気圧が台風と呼ばれている。で、熱帯低気圧は、海面水温が26℃以上なければ発生しないことが、観測によってわかっている。その海面水温が26℃以上の海域が広がるわけだから、当然台風の発生数も増えるだろうってわけだ。

 さらに、台風の破壊力は、海面水温が高いほうが大きくなると言われている。あくまで理論上なんだけど、海面水温30℃のときの台風の発達限界は中心気圧で880hPa、32℃のとき860hPa、34℃のとき840hPa。あ、台風は中心気圧が低いほうがキョーレツなのだ。ちなみに、観測上の最低気圧記録は870hPa(理論限界880hPa)だそーだ。

 スーパー台風ってぇ言葉がある。JTWC(Joint Typhoon Warning Center)というところが北西太平洋だけで使っている言葉なんだけど、これは1分間の平均最大風速が130kt(約65m/秒)以上の台風のこと。ホントにキョーレツな破壊力だろうね。で、これが一般的に使われるようになってきた(気象庁さんは使っていない。)。これって、スーパー台風が当たり前になってきたからだろうね。スーパー台風は、昨年は6個あった。そして、今後海面水温が上がってくると、その数と破壊力を増してくるんだろうね。

 もちろん、スーパー台風は遠くにあるときはその波だけを楽しめるかもしれない。でも、スーパー台風の中には必ず陸に近づいたり上陸したりするやつがいる。と、言うより今までより増えるんじゃないかな。その時に受けるであろう被害は、たとえ自分自身には起こらなかったとしても、毎年来る事を願えるようなものじゃぁなくなってくるんだろうなぁ。

 キミの家につながった電線の先で、エンジンのシリンダーの中で、フライパンの下で、今日も化石燃料は燃え、地球温暖化ガスを出し続けている。それをものすごく減らすことだけが、Surferが心から”台風ずき”でいられる未来を手に入れる方法だ。

 とりあえず、無駄なアイドリングを止めるのと、省エネを心がけようか。その他の方法は、各人が考えてくれ。

                                                               Sep.15.1999


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