Padang Padang Cafe



Padang Sisters   Photo Gallary より


 コンピューターのモニターの前に張り付いて1カ月、睡眠時間もままならず、ボーっとしながらガルーダのチケットを片手に AIRPORT へ。期待に胸を膨らませ?9時間のフライト(その間ほとんどの時間眠りこけていた。)ガルーダの翼はデンパサールの空港に滑り込む。アセチレンガスの屋台の光を横目に、ここ数年追い求めている波のあるパダンパダンへと向かう。夜10時を過ぎているのにカフェの人達は1年ぶりの再会を暖かく迎えてくれた。1年前と変わらず同じ部屋、同じベッド。その日は昨日からの疲れも手伝って、波の音と部屋の中を駆け抜ける風の甘い香りに包まれて眠りについた。昨日までの雑踏が嘘のような夜明け。鳥の鳴き声で目覚め、自然の中に身を置く自分が心優しくなっていくのがわかる。ここまで愛してやまないこの場所にまた今年も来ることが出来た。毎年この場所に来る、いや来れることが夢のようであり幸せでもある。日本の高度成長期と同じくめざましい発展を続ける数ある島(13000以上もある)の中で最近日本でも人気の高い BALI 島。日本では梅雨が始まろうとしている中で、この時期乾期に入っている逃げ出すのにうってつけの場所。そしてこの10年間求めてやまない、バリ島のなかのウルワツにほど近いパダンパダンの波。インドネシア3大リーフに数え上げられ(ひとつはウェストジャワのパナイタン島、ロンボク島のデザートポイント)、ここ数年前までは開発されず、ロードアクセスもウルワツからしかなくひどい状態だったため、あまりサーフする人間もいなかった。その中でこの3、4年の間でポイントの前までアスファルトの道が出来、サーファーにとっては最高の場所となった。以前はクタの信じられない雑踏のなかに身を置いていたが、このカフェができて次の年にはここに移り住んでいた。物売りもなく静かに時が流れていく。ただ目の前のパダンの波を待っていればいいという訳だ。だがこの回りも来る度に開発に追われ、このカフェもつい昨年やっと電気が通いはじめたばかりなのに回りはホテルが立ち並び、数限られたごく1部のお金持ちの人間にしか縁のないポロフィールドと、2つのゴルフコースができようとしている。
 ささいなことかもしれないが、人間は自分の身をよりよい環境に置きたいと思うのは私だけであろうか?最近世の中せちがなくなってきている中で、その点この場所はいい思い出がたくさんある。(私がサーファーを撮り続けて10年と少したつが、ここの波はいい思い出となって私のライブラリーへと溜まっていく。)ここは、欲しい物がお金さえあれば手に入る日本とは違い、物の大切さ、お金の大切さ、人間関係の大切さと、大きなカルチャーの違いが本当の私に戻してくれる場所であると疑わない。
                                      仲山 善朗

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