エカスアウトサイド


エカスインサイド 筆者の佐藤守仁

ロンボク

#1
 インドネシアのロンボク島行きを決めたのは、友人からの突然の電話からだった。6月にはニアスにでも行こうと決めていた私はすぐにOKした。何故ならその島は10年前から行きたいと願っていた所だったからだし、世界でも指折りのグッドブレイクに出会えると予感したからだ。メディアでもまだそれほど紹介されておらず、バリの喧噪からのエスケイプとインドネシアのリアルブレイクでサーフィン出来ることは願ってもないことであった。今回の旅の同行者は私、佐藤守仁と門野修そして大谷和也だ。門野は新たに6'10"を中さんに削ってもらい、他に6'6"、6'3"を、私は 7'3"、6'8"、6'2"を用意した。大谷君は6'7"と6'2"だ。計8本の板を準備して成田を後にした。
 4月24日の夜中にバリ島に到着した私達を出迎えてくれたのは、100%の不快指数だけだった。ビールで喉を潤した後は、夢を見るまでたいして時間はかからなかった。


メルパティ飛行場
 翌朝7時、デンパサール空港を国内線のメルパッティで飛び立った私達は、わずか1時間足らずで空気がまったく違う島に無事到着することができた。そして出迎えてくれたのは100%の爽快感と旅行代理店が手配してくれたポーターのムザールさんだった。彼とは当然初対面で、最近アジアンパラダイス2の映画の中でもポーターとして活躍したらしく、私たちにとってはとてもラッキーなことであった。何故ならたった10日間という日程の中で、初めて訪れる島で、地図を片手にその日のベストポイントを探し当てるということはとても困難な事だからだ。という訳でホテルのチェックインを済ませた私達は早速、目の前の海に双眼鏡を向けると、遥か沖でセットで6feetはある波がいたるところでブレイクしている光景を目にした。クローズアウトに近い状態なので他のポイントチェックしてみることにしたが、とりあえずポーターのムザールさんがいるので、彼に任せれば一安心であった。


クタ湾

プリギーローカル バリニーズとは少し違う顔立ちで日本人に近いものもいる。

 それから私達は、車を45分走らせ、ある小さな漁港に着いた。そこで遥か沖をチェックすると崖に白波が当たるのが見えたが、どのくらいサイズがあるのか見当がつかず、まずは、近くまでボートで行ってみることにした。50分後、ポイントに着くと、どうするかを決めるまで時間はかからなかった。門野が真っ先に海に飛び込み、ピークに向かってパドリングを始めた。と、その時、崖に白波が砕け散るのが見え、そして数秒後には8feetのパーフェクトレフトが迫ってきたのであった。私と大谷君もすぐに飛び込み、3人だけのセッションの始まりとなった。肩からのテイクオフであったが迫力は十分で、ミドルセクションではチューブも巻き、体中からアドレナリンが吹き出るのが分かった。ボトムはリーフで、水深は深く、ボトムに叩きつけられる心配はないが、パワーがありワイプアウトすると6、70m位はインサイドに引きずられる。それにしても、門野が見せたドロップからのワイプアウトは壮絶で今でも目に焼き付いている。さすが、『西のデザートポイント、東のエカス』と言われるだけに、ここエカスアウトサイドはとてもエクサイティングだった。

エカスインサイド アウトサイドより7、800m手前のポイント。この時はハイタイドだがロータイド時には手前はチューブになりロングライド可能。


エカスインサイドグーフィーの波であったがうねりの方向ではライトへも行ける。


エカスインサイド4feetのセットは100m以上のロングライドOK!
やっかいなのはクラゲ&チンクイが多い。


 最高な一日は夜も最高だった。各々リラックスしながらビールとインドネシアンフーズを満喫し、夜空を見上げれば、素晴らしい星空が疲れた体を癒してくれるのであった。  


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